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TRPG情報誌 語り部日報:システム作成の迷宮:第7回:ルールの記述:1
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本号は週刊連載掲載号です。
システム作成の迷宮:第7回:ルールの記述:1
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びぜん@備前屋さんによります、TRPG作成の思考法についての全10回の連載
記事です。毎週土曜号に掲載されます。
7:【ルールの記述:1】捨てるという勇気
幾多の試練を乗り越えて、君はようやく素晴らしい宝を、つまり君が求めて
いた新しいTRPGルールを手に入れることができた。それは確かに素晴らしく、
誰もが君に賞賛の声を浴びせた。だが、TRPGシステムは、君一人が使えてもあ
まり意味のあるものではないのだ。折角見つけたこの宝の良さを、より多くの
人に伝えてあげれば、みんなより幸せになれるし、君はささやかな賞賛を得る
ことができるだろう。
だが、そのためには今のままではダメだ。宝はあまりにも君専用で、君以外
は今のところうまく使いこなせない。宝を改良しなければならない。つまり、
ルールをまとめて、ルールブックを作らなければならない。
この文章を読んでいる君なら、市販のルールブックに対してあれこれと注文
を付けた事があるだろう。もっともだ。君たちの言葉は正しい。この業界はま
だ生まれてから日が浅く、編集やディベロップのノウハウがそれほど確立して
いないのだ。文句をつけたくなる気持ちはわかる。だが、冷静になって君が今
手にしているものを見てほしい。そこには、その批判したものより、さらに粗
悪な代物があるのじゃないか?
性急な者なら、いますぐにでもDTPソフトを起動して編集に入りたくなるだ
ろう。しかしそれはまだ早い。冊子の編集に入る前に、まずルールの吟味を行
わなければならない。その要素が本当に、そのゲームに必要なものかどうかを
検討するべきである。
基本となるルール部分をまず取り出そう。今ではそこに、基本ルールをさら
に盛り上げる為の、いくつかのルールが付け加わっているだろう。さて、その
付け加えたルールは、本当に必要なものなのか?
そのルールのせいで、プレイアビリティが落ちてはいないか。やりたいこと
がボケてしまってはいないか。4分類に適合しない要素ではないか。
さあ、君は既に、これを分析するだけの能力や根拠を持っているはずである。
重要なことは、その分析の結果、それが不必要な事が判ったなら。君は迷わず
そのルールを切り捨てなければならないということだ!
そのルールは、君がとても気に入っているものかもしれない。ものすごいヒ
ラメキとともに生み出されたものかもしれない。しかし、必要が無いものを残
してはならない。そのアイデアは、次のゲーム、次の次のゲームに取っておけ
ばよい。今は切り捨てる時だ。その勇気を持たなければならない。
データはどうだろうか。ここで言うデータとは、アイテムデータやキャラク
ターデータ、図表などをひっくるめた言葉だ。ゲームを成立させるために最低
限必要な各オブジェクトを表していると考えてよい。
なるべく広範の人に使ってもらいたいなら、内輪受けやあからさまな盗作は
避けるべきである。必要ないならば、極端な動作をするデータも避けたい。で
きるかぎり大多数が納得し、かつ各個の独立性・特殊性が保たれるデータがよ
く受け入れられるだろう。
内輪受けな上に不公平感を抱かせるデータは最低だ。よくできたユーザは、
そのデータが存在する理由を類推する楽しみを得ることができる。だが、その
ようなポジティブなユーザは(極めて残念ながら)少ないのが現状だ。
例え世界に一つしかないという設定でも、よほどのことが無い限りバランス
を崩すようなデータは存在させないことだ。もし実装する場合は、細心の注意
を払わなければならない。ペナルティ無しにそのようなデータが存在してはな
らない。強すぎるデータは、物語を拡散し、シーンを崩壊させ、キャラクター
に不公平感を与え、問題を容易に突破させるだろう。
地味で根気のいる作業になるが、これも無限に続く訳ではない。冒険の舞台
を洞窟から研究室に移し、君は宝を調べる。ある機能は封印し、またある機能
は使いやすいように改良を加え。無事、宝の調査は完了した。
後はこれをまとめるだけだ。だが、どのようにまとめるのが良いのだろう。
どうせまとめるなら、使いやすい方が良い。何か良いまとめ方のセオリーなど
は無いだろうか? 君は説明書の体裁を考え始めた。
研究室の窓に、薄く夕日が差し込む。長い長い冒険の終わりが、もうすぐそ
こにせまっていた。
sfよりコメント
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「TRPG情報誌 語り部日報」編集者より。
足すのは簡単だけど、ゲームの狙いや対象層に合わせて削る作業ってのは、
なかなか難しいんですよね。
「ここは要らないんじゃないか」
と言われても、ついつい反論して必要性を主張してしまうというのは、よく
見かける光景です。特に、サークルで共同制作した場合には、脹れ上がったま
ま絞り込みに欠けることになりがちのようですね。
奥付
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