語り部日報:システム作成の迷宮:第8回:ルールの記述:2

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語り部日報:システム作成の迷宮:第8回:ルールの記述:2

TRPG情報誌 語り部日報:システム作成の迷宮:第8回:ルールの記述:2
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システム作成の迷宮:第8回:ルールの記述:2
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 びぜん@備前屋さんによります、TRPG作成の思考法についての全10回の連載
記事です。毎週土曜号に掲載されます。


8:【ルールの記述:2】プライドを捨てて丁寧に

 君たちは前回までの探索で、考えられる限り素晴らしいルールを手にし、そ
れを誰でも使えるように検討した。不必要な要素は削除し、必要な要素は拡張
した。後はそれを形にすれば、誰でも自由に、手軽に、迷い無く使うことがで
きる「システム」が完成するだろう。宝がその真の姿を現すのだ。
 逆に言えば、この最後の詰めを誤れば今までの努力が無駄になってしまうと
いうことだ。丁寧に行わなければならない。気をつけなければいけないことは
沢山ある。地味で苦しい作業になるだろうが、できる限り手を抜かないで欲し
い。今までの冒険を水の泡にしたくなければ、真摯な態度で挑むべきである。

 ここで行うことは、ルールブック及びコンポーネントに付随する小物の作成
である。TRPGのコンポーネントの編集と言ってよい。解るだろう、で雑にすま
せてはならない。君が知っているからと言って手を抜いてはいけない。今まで
の経験は大切だが、それが必ずしもユーザに優しいとは限らないからだ。プラ
イドを捨て、丁寧に作業することだ。


◎全体の構成
□読みながらゲームを体感し、覚えられるようになっているか
 例)推奨される順番
・まえがき
・キャラクター作成
・戦闘(あれば)
・行動判定(あれば)
 :

□何を楽しむゲームかが正しく記述されているか(やりたいことの記述)
□データフォーマットは統一されているか
□データの参照が必要なところ(の近く)にデータが書かれているか
□全てのデータが一箇所に集まっている部分はあるか
□データの参照方法とデータ本体が離れていないか
□適度な余白や遊びが入っているか(読んでいて飽きさせない)
□読みにくいレイアウトになっていないか
□横組みの場合、できるだけ左ページで章が開始されているか(縦組みは逆)
□(文章の区切りと改ページ・改章をそろえてあるか)

◎文章
□ですます/であるだの統一はできているか。
□大切な情報が全て書かれているか
□出来る限り1文は1センテンス
□難しい言い回しを多用していないか
□一般的でない言葉に頼っていないか
□コンピュータに頼って、難しい漢字を多用していないか
□自分で作った言葉(単語)に頼っていないか
□句読点は多すぎたり少なすぎたりしないか
□文章の組み立ては論理的か(演繹/帰納的な条件の抜けはないか)
□(読みやすいリズムの文章になっているか)

◎装丁・レイアウト
□一般的に「見出し→ゴシック系」「本文→明朝系」である
□文章のレイアウトやフォーマットは統一されているか
□図版率(ページに占める絵図表の割合)が低すぎないか
□見出しや小見出し、コラムはそれと見分けがつくようになっているか
□装飾により可読性が下がっていないか
□行間が詰まりすぎてはいないか(行間は1.5〜2文字分程度が望ましい)
□本文の字間が詰まりすぎ、もしくは広がりすぎてはいないか
□本文とデータ部分の見分けは容易か

◎小物
□買ってすぐ使えるようになっているか
□小物の使い方を記述した別紙を付けてあるか
□必要な情報は抜けていないか

 見ればくだらないことばかりである。しかし、そのくだらないことを地道に
行うことなしに、君の宝は光り輝かないのだ。
 私はここである程度の指針を与えたつもりだ。書かれていない注意点もある
だろう。それは君たちが順次追加していけばよい。大事なのは、どれだけユー
ザのことを想定して作れるかということである。

 TRPGルールコンポーネントの編集というのは難しい仕事である。まず、編集
の基礎を知らねばならない。そしてTRPGの遊び方について熟知してなければな
らない。必要な要素は何なのか把握していなければ、遊び方にあわせたレイア
ウトを作ることも出来ない。
 残念ながら、もし君にその才能が足りないと思ったら、できる友人に頼むべ
きである。編集は「やりたいことからのコアルールの決定」「ルール作成とバ
ランス調整」に匹敵するほど難しく重要な作業であることを認識すべきである。
君の見つけた宝は確かに素晴らしい。しかしそれを認知してもらうためには、
より丁寧で使いやすいコンポーネントの編集こそが重要なのだ。

 さあ、地道な作業は終わった。
 机の上を見るといい。そこには、まばゆいばかりに素晴らしい、しかし誰で
もその恩恵に与ることができる、最高の宝があるだろう。
 心地よい疲労が君たちを包んでいることだろう。ゆっくり休むといい。

 そんな君たちの前に、一人の男がやってきた。
 君たちの前にある宝を見て、彼は惜しみない賛辞を君たちに送った。だが、
彼はその後、一言こう呟いた。
「でも、こうすればもっと使いやすいんじゃないか?」
 君は疲れも忘れ、怒りを込めて立ち上がった。この男は何を言っているんだ!
「申し遅れた。私は『より良くする者』だ」
 「より良くする者」とは何者なのか。素晴らしい宝をめぐる話も、この男の
登場を持って終局を迎える。


sfよりコメント
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 「TRPG情報誌 語り部日報」編集者より。


 自分だけで遊ぶんならこの工程は適当でもいいんですが。これをきちんとで
きるかどうかで、他の人に利用されるかどうかは大きく変わってくるわけです
ね。


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